- 囲炉裏がある
- 美味しいジビエ料理が食べられる
私はラム肉の味が苦手だ。
雨の日に濡れた野良犬を齧ってる味がする。全然臭みがないと言われてるお店を紹介されトライしてみても、やはり遠くの方からずぶ濡れの野良犬が鼻に駆け寄ってくる。でもラム肉好きな人は多い。なんでだ?私の味覚は他とズレているのか?悲しい。
私は食べる事が好きなので世間一般的に美味しいと言われている食べ物は口にしてみたい。
そこで今回ラム肉に続いて気になっていた物にトライする。
それはジビエ料理だ。
猪肉や鹿肉は美味しいとTVなどでよく耳にする。ジビエも臭みがあると聞いた事はあるが、こればかりは食べてみないと分からないので早速提供しているお店を探してみた。
Googleが教えてくれた店は貧乏な私にはどこも値段が高い店ばかりだ。ちくしょう、検索エンジンの分際で足元見やがって。っと思ったが、そもそもジビエ料理の相場がよくわかっていない。
だが、普段行く焼肉屋より全然高いのは確かだ。庶民には手が出せない食べ物だったのかー。と諦めようとした時、ジビエ焼肉を出してくれる宿を見つけた。
日光・湯西川温泉 平家本陣
値段はシーズンやプランにもよるが、私が選んだ時期とプランを参考にしていただくと、時期は6月上旬、部屋は少し広めの10畳プラス6畳、囲炉裏懐石と猪肉、鹿肉炭火焼きプラン。
料金は1人12000〜13000円。
囲炉裏でジビエ料理が食べられて温泉入ってこの値段はリーズナブルだと感じた。
あとは実際に泊まってみないとコスパがいいかは判断できないので、すぐに予約をし宿に向かった。
場所は日光市にある湯西川温泉という場所。
湯西川温泉は初めて訪れるが、壇ノ浦合戦に敗れた平家落人が、河原に湧き出る温泉を見つけ傷を癒したと伝えられる温泉らしい。また、味噌ベラなどを囲炉裏で食べる落人料理というのが有名との事。そんな長い歴史がある場所ならきっと有名な温泉街なのだろうと楽しみにしていたが、到着してみると山奥の静かな場所だった。
旅館は何軒かあるが、どの宿もどことなく悲しいオーラが漂っている雰囲気だ。
そんな場所で今回私がお世話になる旅館【平家本陣】に到着すると綺麗な入り口だったのでひとまず安心した。旅館前には源泉温泉50〜60°が沸いている。
入館すると一階にフロント、ラウンジ、売店、ウェルカムドリンクスペースや卓球場がある。
一階のフロアはアロマの香りに包まれてとても清潔感がある。まずは受付を済ませる為にフロントへ向かうと、スタッフのお姉さんがとても親切に応対をしてくれる。
館内の説明が終わると夕朝食事券、ルームキーを受取り、子供がいれば子供用の作務衣とアメニティグッズを渡される。
子供用のアメニティの中身はかわいいクマの手提袋に使い捨てのスリッパ、歯ブラシ、ハンドタオル、どれもかわいいクマさんのデザインなので使うのが勿体ないくらいだ。
ラウンジ・フリードリンクコーナー
無料のウェルカムドリンクも充実しており、ゆずドリンク、オレンジジュース、リンゴジュース、レッドベリーティー、ホットはアールグレイ、ダージリン、ほうじ茶、イタリアンブレンドコーヒー、キリマンジャロブレンドコーヒー、コロンビアコーヒー、別料金で赤ワイン3種類、ロゼ1種類、白ワイン2種、日本酒2種類と種類豊富のドリンクがいただける。
ラウンジには暖炉があり、夜には火が灯される。
お部屋
部屋に入ると中は良く言えばエモい感じ、悪く言うと古臭く、ラウンジにいた時の気分のまま部屋に入ると少し残念な気持ちになる人もいるかもしれない。
窓からの景色は一面の緑の木々が広がっている。虫が苦手な人に予め伝えておくが、窓のサッシ部分には30匹くらいてんとう虫の死骸が転がっているので注意してほしい。
お茶と平家最中
お風呂用のカゴ
作務衣
お茶受けに平家最中を用意してくれていて、バスタオル等は籠に歯ブラシと一緒に用意されている。館内着は浴衣じゃなく作務衣なのも嬉しい。
浴衣だと起床時にはだけてしまうのと歩きづらいのと用を足す時に不便なので個人的にはあまり好きではない。しかし、女性に限り浴衣がいい人は売店に行けば550円で借りられる。
温泉
早速作務衣に着替え大浴場で汗を流しに向かう。
大浴場は地下一階にあり、エレベーター降りて左右に男湯、女湯と別れている。
脱衣所は扉を開けスリッパを脱ぐスタイルなのだが、スリッパは他の客と間違えないように番号札をクリップで挟んで指定された場所に置くようになっている。この心遣いも嬉しい。せっかく身体を綺麗にしたのに知らない客のスリッパを履いて帰るのは気持ち悪くて不愉快になる。このシステムは全国の宿で一刻も早く行うべきだ。
脱衣所は広く清潔感がある。鍵が付いたロッカーがありこちらも綺麗。
洗面所も6人分くらいあり、ドライヤーは風量のあるパナソニック製が置かれている。他にヘアトニック、育毛剤、オールインワン化粧水、綿棒、コットンとアメニティも充実している。ここも心遣いが嬉しい。
だが一点気になったのは、脱衣所のトイレは蒸し蒸ししており壁紙がブヨブヨで剥がれているのが気になった。
浴場の洗い場は11人分ある。シャンプー、コンディショナー、ボディソープ、洗顔とひととおり揃っている。
身体を洗い、どこから入ろうかと浴場を見渡すと5人くらい入れる小さめのサウナが一つ、温度は110度くらい。
その横に水風呂、大浴場、寝湯、露天風呂とある。一ヶ所打ち湯らしき場所もあったが湯は入っておらず残念ながら中止のようだ。露天風呂はなんだかよく分からない作りをされている。まだ制作途中なのか?と思うほどやっつけ感満載の作りだ。景色は壁に囲われてるので見れない。更に塩ビの配管は剥き出しで、誤魔化す為なのかよくわからないオブジェのような物がある。
大浴場は単純温泉成分で湯船には湯の花が咲いている。源泉を使用しており加水で温度を調整されているようで温泉の質はいい。せっかく良い温泉が湧いているのに大浴場も古臭くて残念に感じた。
夕食・朝食
風呂を上がり食事に向かう。食事会場は2階の食事処、チケットを渡し部屋番号を伝えると席へ案内される。
大広間に囲炉裏テーブルが何組もあり、そこで各々のプランのメニューをいただく。
今回私は囲炉裏懐石、鹿、猪鉄板焼きコースを予約。席に着くと囲炉裏には炭に火がついており、それを囲むように味噌ベラ、鮎や椎茸などの串焼きが温められている。ぬるいと感じる方は炭の上で温め直す事ができる。
串焼きを食べた後に鉄板を用意していただきジビエ焼きを食べる。
基本的に山や川の食材。
ご飯は鮎の炊き込みご飯が用意されており、炊き上がるまで30分くらい待つが炊き立てがいただける。この鮎の炊き込みが蒲焼き風の甘めの味付けでうまい。
楽しみにしていたジビエは鹿肉と猪肉の2種類。
鹿肉の食感は牛タンのような少し弾力のある柔らかさでロースとレバーの中間のような味。臭みはなく旨い。
続いて猪肉はSPF林の豚肉のような脂身が甘く、繊維の少ない柔らかい肉。猪肉に関してはラム肉みたいに獣臭いとおもっていたが全く臭みは感じられなかった。豚肉より美味しいかもしれない。
ジビエがこんなに美味しい物だとは思わなかったので大変満足した。
他にも味噌汁に入っていたなめ子は大きいし、川魚の刺身と一緒に出されたキクラゲの刺身は肉厚で大きく食べ応えがあった。
食事に関しては、山の幸をふんだんに堪能させてもらい、とても満足いく食事をさせてもらった。
部屋に戻り就寝布団は硬めのマットレス一枚と掛け布団一枚。個人的には問題無かった。
翌日、朝風呂を済ませ、昨夜と同じ食事処で朝食をいただく。囲炉裏には鶏白湯がゆが温められている。
朝からガッツリ食べたい人には物足りないかもしれないげ、結構量はある。他にも色々とご馳走を用意してくれており、中でも鮪燻製は柔らかく生ハムのような味で美味しく、湯波しゃぶは湯波が大きく食べ応えがある。朝食も大変満足させてもらった。
因みに、小学生も大人と同じ料理を用意してくれる。
平家本陣 まとめ
【平家本陣】はジビエ料理を目的にされる方にはかなりオススメできるが、それ以外の目的の方にはあまりオススメできないと思った。
実際泊まってサービスを受け、一人当たり12000〜13000円はコスパはいいと判断はしたが、部屋の細かい部分や共用トイレ、浴場の劣化はかなり気になった。
私が大切な人を連れてきたいか?と聞かれたら初回では連れて来れないだろう。しかし、今後改善されたら間違いなくリピートしたい宿リストに入る。
そう言う意味では応援していきたいし、今後の動向を定期的にチェックしていきたい宿だ。
それでは良い休日を。ふぉふぉふぉ。