初夏の昼下がり、川のせせらぎ緑のそよ風…【水の音】あきる野市

私は歩くのが嫌いだ。なるべく歩かずに生活する事を心がけている。普段は何処へ行くのも車だ。200m先のコンビニに行くのも車を使うくらい歩かない。歩くのは疲れるし、他人とすれ違う時にどっちに避ける？みたいな心理戦みたいなやり取りも面倒だし、動物の糞を踏まないように注意しなければいけないし、雨が降りそうだったら傘を持ったり、天気が良ければ日焼け対策したり、歩くだけなのに色々と面倒だ。しかし、そんな私でも散歩をしたくなる日が年に数回訪れる。新緑の葉に暖かい日差しが反射し、柔らかい風が青々と木々を揺らす季節。

そう初夏。この時期ばかりはさすがの私も自分の足で自然を感じたくなる。っという訳で今回私が訪れたのは、西東京にあるあきる野市、終着駅の武蔵五日市駅。駅を降り立つと檜原街道が通っている。それを西へ散歩してみる事にした。やはり都心部とは匂いが違う。あの山独特の匂いは土の匂いなのか？葉っぱの匂いなのか？それともカブトムシの匂いなのか？今だに何の匂いか分からないが、きっとあの匂いが新鮮な空気という事なんだろう。

知らない土地で新鮮な空気を吸いながらあてもなく歩く。ただの暇人おじさんだ。しかし、実に面白い。

知らない場所というのは何があるのか分からない、もしかしたら何もないかも知れない。仮に何も無くても、何も無かったと知れた事が収穫になるのでそれはそれで楽しい。

そんな感じでNO PLANのまま西東京の終着駅「武蔵五日市」までやって来たという訳だ。どんな土地なのかテクテク歩いて行くと早速「秋川渓谷」の看板が見えた。

檜原街道は思ったより車通りが多い。しかし綺麗な歩道があるので散歩するには歩きやすいが、

って思うくらいダンプカーも通る。平日だからなのか、普通車よりダンプカーの方が多い気がする。こりゃ、平成たぬき合戦でたぬきも怒る訳だ。人間でさえ気になるのだから、自然界に住んでいる動物達はたまったもんじゃないだろう。私がたぬきだったら怒り狂いながら無作為に人間を襲っていただろう。

このままではいかん！これはどうにかならないものか。そっか！どうにもならないのか！ここで気持ちを切り替え散歩に集中する。テクテク歩いているとダンプカーの他にツバメが多い事に気づく。民家の軒下には各家に一つずつ燕の巣がある。それはちょっと大袈裟か。でも、それくらいツバメの巣も多いし糞も多いが肝心のヒナが見当たらない。

あぁ、なるほど、巣立ったのか。だからこんなにツバメが多いのか。

そんな懐かしいセリフを思い出しツバクロを見送る。30分程歩いただろうか、少し疲れて来た頃に丁度良く一服出来そうな店を発見。

東京都あきる野市・野外テラス【水の音（みずのね）】

なんとも高そうなネーミングのお店。

しかし辺りには他にカフェが出来そうな店は無さそう。

懐事情を気にしながらもどんなお店か気になるので、入り口まで向かう。車一台通れるくらいの道を下っていくとそこに【水の音】があった。アジアンテイストのテラス席、目の前には渓谷へ続く川が見える。

セルフオーダー式の小屋へ向かいアイスコーヒーを注文。

1000円まではしなかったが税込600円。

少々高めだがこんな素敵な空間を提供してもらってる事を考えると安いかもしれない。他にあんみつ等もあったが懐と相談し、悔し涙を堪え次回のお楽しみにする事となった。

アジアンテイストの椅子に腰掛けコーヒーをかき混ぜる。「カラカラカラ」グラスに当たる氷の音が風鈴のよう。

他にお客もいなければ虫もいない。最高だ。

【水の音】に来るなら初夏や紅葉の時期が良さそう。

次回車で来る時は、駐車場まで道幅が狭いので、対向車が来ない事を祈りながら来る事にしよう。もし対向車が来てしまったら自分の胸に手を当て、日頃の行いを振り返り反省し、対向車に平謝りをして下がってもらう事にしよう。

皆さんも大切な人の気持ちを癒す場所【水の音】でゆったりとした時間を過ごしてみてはいかがでしょう？

	野外テラス　水の音
場所	あきる野市小中野１６７
電話	042-596-0129 ✳︎席の予約は承っていません。
HP	https://www.kurochaya.com/mizunone
営業期間	３月上旬〜11月末
営業時間	平日　12〜16・土日祝　11〜17
定休日	雨天及び不定期